コンピュータグラフィックスによる
樹木画像生成に関する研究


金山 知俊

豊橋技術科学大学 知識情報工学系

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論文,資料の原稿(ポストスクリプト+gzip) : 博士論文 / 博士論文(カラー) / 発表資料 / 発表資料(カラー)



 要旨
 近年,計算機の能力向上に伴い,従来は困難であった自然物や自然現象を CGで表現する試みが盛んに行われている. 自然物の中でも樹木はもっとも身近なものの一つであり,景観シミュレーション 等の分野で様々な応用が期待されるため,樹木の画像生成について 様々な研究が行われてきた.本論文では,樹木の形状データの作成, アニメーションによる樹木の揺れの表現,樹木画像の高速表示という 3つのテーマに関して検討を行い,結果をまとめた.

 樹木の形状データの作成方法には大きく分けて,フラクタルなどを用いて樹木風の 分岐形状を作成する単純な方法と,樹木の構造や環境の影響を考慮し, 樹木の生長をシミュレートする方法がある.本論文では後者の方法を採用し, 様々な樹種に共通の分枝規則を再現し,光,ホルモンの 影響も考慮した樹木の生長モデルを構築した. この生長モデルは,光環境の影響による枝の枯死と屈曲,植物ホルモンによる 頂芽優勢,休眠芽の休眠打破,枝の短枝化,屈光性,屈地性などの 樹木の様々な性質の再現,節,葉序などの樹木の分枝規則の正確な再現を, それぞれ,光環境モデル, ホルモンモデル,分枝モデルという三つのサブモデルを用いて実現している. これらサブモデルに与えるパラメータを変更することで,環境の変化, 樹種の変更への対応を可能としている.

 アニメーションによる樹木の揺れの表現は,CGによる自然景観の動画像に 現実感を持たせるための 重要な手段となりうるが,従来,あまり研究されていない. 本論文では,数少ない先行研究のうち,樹木を質量を持った節点とそれらの 隣接関係で近似する手法をもとに,節点数の制限,枝の伸縮による座標の 発散の防止,幹や短い枝の計算省略などの改良を施すことで,より高速で汎用的 なモデルを構築し,節点の動きのシミュレーションを行うことで樹木の揺れの アニメーションを実現している.

 樹木画像の高速表示は, 樹木の形状データを保持しつつ,細い枝は線分,太い枝は テクスチャマッピングされた1枚のポリゴンで表現することで データ量削減,任意の樹形への対応が可能な樹木画像の 高速表示手法を実現した.本手法は 樹木全体の画像をポリゴンにテクスチャマッピングする手法とは異なり, 樹木の形状データを保持しているので,上記の樹木の揺れの表現手法と 組み合わせることで樹木の変形を表現することも可能である.


 発表資料
タイトル
目次
研究の背景
本研究の目的
本研究の検討項目
樹木形状データの作成(第2章)
形状データ作成の目的
従来の研究情報
方針
生長モデル
分枝モデル
枝の構造とモデル化
ホルモンモデル
樹木の性質
ホルモンに関する仮定
光環境モデル
光環境の計算法
樹種による樹形の違い
計算時間と各処理の割合
樹木の生長(サクラ)
同じ環境での様々な樹形(ケヤキ)
結果
樹木の揺れの表現(第3章)
樹木の揺れの研究目的
方針
樹木の揺れの再現方法
従来の研究
処理の概要
節点の設定
外力の計算
復元力の計算
復元力の反作用
節点の運動の計算
枝長のずれの修正
節点間の補間
節点の運動計算の省略
アニメーション例1:1本の枝
使用した樹木データ
アニメーション例2:枝の広がった樹形
アニメーション例3:枝の広がった樹形(強風)
アニメーション例4:枝の広がった樹形(葉のある場合)
アニメーション例5:枝が上に伸びた樹形
パラメータ等
結果
樹木画像の高速表示(第4章)
画像生成の研究目的
方針
従来の樹木画像生成手法
本研究での樹木画像高速生成手法
処理の概要
描画方法の選択
テクスチャ作成
テクスチャマッピング
線分の描画
ポリゴンによる樹木画像
本手法による樹木画像
本手法の効果
画像生成時間と処理の割合
結果
まとめ
今後の課題
参考文献 1
参考文献 2
参考文献 3
参考文献 4
参考文献 5
参考文献 6

kanayama@smlab.tutkie.tut.ac.jp